サポートグループ活動内容
基本的な内容は、患者さん同士が自分の病状、がんに罹患してから出会ったさまざまな事柄について、お互いに相談や話ををしていく会合です。
がん患者さんは、がんに罹患することで、肉体的、精神的に大きなダメージを受けます。そのダメージは、治療の進行や患者さんの治癒への意欲、そして患者さんを取り巻くご家族などの支援によって次第に回復することが期待されます。しかし、患者さんの本当の苦しさ、悲しさや悔しさ、さらに患者さんの絶え間ない内面の葛藤といった事柄は、ご家族といえども、同時的にはなかなか理解することはできません。そうしたことから、がん患者さんは自分の置かれた状況について、誰にも相談できずに一人で悩むという状態に陥ることもあります。
そうしたときに、真にがん患者さんの置かれた状況を理解でき、患者さんと同一の地平にたって相談や話ができるのは、同じがんを患った患者さん同士であると言えます。
患者さんは、サポートグループの中で自分の体験を話すことで、自分の内にあるさまざまな思いを打ち明けることになります。そして、別な患者さんの体験を聞くことで、自分の置かれた状況が決して自分一人だけのものではないことを理解することにつながります。また、こうした話し合いの中から、自分の参考になる病気へのアプローチのしかたが見つかる場合もあります。
サポートグループは、患者さん同士の相互対話と情報交換をとおして、精神的な孤独感から解放され、さらに病気へ取り組む新たな気持ちと方法を見つけていくための一つの方法論です。
サポートグループの概要
* 6~8人の参加者で構成され、進行します。
* 隔週、決められた時間に、各グループは90分行われます。
* ウェルネス・コミュニティーの理念や手法をもとに、がん患者とともに活動する訓練を受けた臨床心理士/看護師/ソーシャルワーカによる専門的な進行役(ファシリテタ ー)によって行われます。
ファシリテーターは、そうした話題の中に含まれている問題点を的確に把握して、患者さん同士の意見を聞いたり、感想を求めたりしながら、話題が偏ることなく進行させる役割を果たします。
サポートグループで期待される効果
以下は「がん患者とその家族を対象とする医療相談システム開発のための基礎研究」研究成果報告書より
ジャパン・ウェルネスの「サポートグループ」は、アメリカなどで行われているがん患者のための「グループ療法」をモデルとしたものです。もともと「グループ療法」は、医療の領域ではアルコール依存症や薬物依存症などの治療法として有効性が認められていましたが、がん患者を対象としたグループ療法は 1970年代にアメリカで始まったものです。そして、1989年にはアメリカでその有効性を確認する論文も発表されています。現在では、アメリカばかりでなく、カナダ、ヨーロッパ諸国にもこの方法が普及してきており、患者の免疫力向上や延命効果が期待できるといわれています。
アメリカのある研究では、グループ療法の目的を次のように述べています。
- 参加者同士の連帯感をつくる
類似した体験を共有し家族以外で自分の関心事について話せる人をみつけ、がんについての相談できないことによる孤立感を軽減する。 - 参加者が「今-ここで」何を感じているかに焦点をあて、ポジティブ・ネガティブ両面の感情をすべて表出する
個人的な問題がグループの現実問題となる。 - 死と死にゆくことに対する恐怖感の緩和
恐ろしいイメージとしての死の話題を避けるのはなく、また前向きに受けとめていくのでもなく、現実的に捉える。 - 人生の最優先事項の再定義
病気になったことによって生じた自分の生活を再評価、再確認する。 - 友人や家族のサポートを増やす
これまでの患者と家族、友人との間の関係を修復し、オープンで正直なコミュニケーション技術を得る。 - 医師-患者関係の向上
医師に必要な情報について質問でき、自分の治療のパートナーとしての関係を築く。 - 対処技術の向上
困難時の「情報の焦点化」「感情の焦点化」「問題の焦点化」によって対処技術を獲得する。
また、こうしたグループ療法の効果についても、アメリカではさまざまな側面から実証的研究として明らかにされてきています。
その効果の第一としては、参加者の心理的、感情的側面への介入効果。グループ療法参加前後に、参加者に対して実施された質問紙調査によって、不安感や恐れ、抑うつ感の軽減がもたらされることが明らかになっています。
第二には、がんの医学的治療や生活に対する取り組み姿勢の変化。グループ療法に参加することによって、治療における患者自身の役割を認識し、自らの治療についての筋道をコントロールしているという感覚を得るようになることが明らかにされていいます。グループ療法に参加することによって、治療の過程で生じる不安感のマネージメントが出来るようになり、医師とのコミュニケーションも円滑になるといわれています。
また、第三には、グループ療法に参加することによって新たなソーシャルサポートが獲得されていること、またそれによって参加者の生存期間が延長したことが報告されています。その他に、身体機能の改善も明らかになっており、グループ療法に参加したことによる経済効果すなわち医療費の減少、在院日数の短縮化、外来通院回数の減少にもつながると言われています。
もちろん、これらの事柄すべてがジャパン・ウェルネスの「サポートグループ」においてただちに実現できるとは言いきれませんが、目指す目的や期待される効果としては一致しています。
なお、以上の事柄についての詳細は、研究報告書の「VI がん患者と家族のためのサポートグループ運営と今後の課題」をご覧ください(PDFファイル参照)。
入会されたら、短期サポートグループ(毎週1回、計6回)にまず参加
短期サポートグループは、入会後、まず患者さんに参加いただいているグループです。年齢/性別/病気の部位を問いません。毎週1回の特定の曜日と時間に行い、約2ヶ月間、計6回、開催されます。
継続サポートグループ(毎月2回)に参加することも可能
継続サポートグループは、原作として短期サポートグループを終了された患者さんに参加いただいているグループです。乳がん/大腸がん/肺がん等の部位別に構成されたグループの他、腎臓がん/膀胱がん/血液がん/子宮がん/卵巣がん等の希少部位の患者さんで構成される混合グループが毎月2回、第1・第3週(あるいは第2・第4週)の特定の曜日と時間に行っています。
がんサバイバーになっても引き続き参加したい方のためのウェルネス友の会
無症候な状態または”がんサバイバー”となった後も、引き続きサポートグループに参加したい患者さんもおられます。そんな方々のために、およそ4年から5年を目安に無症候な状態となった方であれば、どなたでも参加できるサポートグループを開催しています。
がん患者ご家族へのサポートグループ(家族の会)も開催
がんに罹患することは、患者さん本人にとってはもちろん、がん患者のご家族にとっても大きなショックであり、心理的な不安要因となります。また、生活が大きく変わることにもなります。そこで、がんのご家族が患者さんをどう支えていったらいいのか、患者さんや医師とどう接していったらいいのかなどを含め、日常生活をどのように送るべきかといった事柄について、ご家族の方々同士での話し合いや相談、情報交換を行う会を開催しています。


